札幌近代美術館は北海道札幌市中央区にある道立の美術館で、北海道立美術館の先駆けとして1977年に誕生しました。「すぐれた作品の収集・保存」「バラエティに富んだ展示」「すべての活動の基礎となる調査・研究」「トータルな学習の場の提供」を活動の基本理念としており、明治以降の北海道美術の流れから、国内外の近代以降の作品やガラス工芸品、パスキンを中心としたエコール・ド・パリの作品などをコレクションの柱として積極的に収集している他、江戸後期の浮世絵やルネサンスから近代までのヨーロッパ版画、オプティカル・アートなどの特色のあるコレクションも豊富です。質・量ともに充実した収蔵品はおよそ5200点で、1~2ヶ月ごとに多彩な特別展を開催し、年間の来館者数は26万人にも達します。近年は海外から訪れる観光客も多くなっており、北海道観光における人気観光スポットにすっかり定着しました。

2014年には北海道で初開催されたアートフェスティバル・札幌国際芸術祭の会場にも選ばれるなど、文化拠点としてその存在感を高めています。札幌近代美術館では、平日は11時30分・13時・14時の3回、土曜日と日曜日は13時からの1回で、一般社団法人北海道美術館協力会のスタッフによる鑑賞ガイドツアー「ギャラリー・ツアー」を実施しており、およそ30分間で館内の見どころを紹介してもらうことができるため、効率的に観賞したい来館者から人気を呼んでいます。市民ボランティアであるため堅苦しさはなく、気軽に作品について質問することも可能となっており、アートの初心者から上級者まで対応できる幅広い知識を持っているため人気です。
主な施設としては、1階に美術情報コーナーとミュージアムショップ、2階にレストランがあり、美術情報コーナーでは豊富な図録や書籍が閲覧無料で、2台あるモニターでは北海道ゆかりの作家を紹介するオリジナル映像も見ることができます。ミュージアムショップでは来館記念に最適な図録や絵葉書、美術図書などが販売されており、レストランでは「北海道の大地の恵み、新鮮素材が生きた健康と美容に優しく美味しい提案」をコンセプトとした食事を提供しています。
札幌近代美術館の開館時間は9時30分から17時までで、月曜日と年末年始が休刊日となっており、入場料は常設展は大人510円、高大性は250円で、特別展は催事によって異なります。最寄駅は地下鉄東西線の西18丁目駅で、出口4から徒歩5分とアクセスにも優れた立地となっています。