札幌は北海道の政令指定都市で、石狩振興局所属の道央地方にある人口約200万人の市です。歴史は江戸時代以前にまで遡り、西暦658年の斉明天皇4年に日本の将軍、阿倍比羅夫が活動したという言い伝えが残っています。また、元文年間には場所請負制の導入が行われたり、天明から寛政年間に、現在の札幌市にあたる地域が開かれたとされています。

明治時代に入ると明治政府により開拓使が設置され、いわゆる蝦夷地が現在の北海道に改称となりました。この時に石狩国札幌郡になり、島義勇によって札幌本府の建設が始められます。明治12年の1879年には郡区町村編制法の施行で札幌市街地は区になり、郡より離脱しています。現在の市制は大正11年の1922年に施行されたもので、100周年を迎えた1968年に記念式典が開催されました。ちなみに名前の由来はアイヌ語とされ、サリ・ポロ・ペッとサッ・ポロ・ペッの2説があります。
アイヌ文化は北海道全体と深い関係があり、それだけでも文化遺産級の価値があるといえるでしょう。実際に文化遺産に登録されているのは、国指定重要文化財の時計台で知られる農学校演武場、赤れんが庁舎などが有名です。農業を技術拠点を担ってきた歴史があるので、農業と関わりの深い土地ともいえます。現在は玉ねぎやスイートコーン、アスパラにブロッコリーと野菜が多く生産されており、北区では小麦や酪農も行われています。南区も農業が盛んな土地で、りんごやさくらんぼにプルーンといった果物の育てられていますし、養豚や花きもその1つです。
一方、フェスティバルは雪まつりとYOSAKOIソーラン祭りが有名ですが、音楽のパシフィック・ミュージック・フェスティバルも知られています。歴史と文化がある土地ですから、当然ながらミュージアムも充実です。人気があるのは青少年科学館や北海道開拓の村、北海道立近代美術館などで、資料館やオリンピックミュージアムも定番です。それから北海道博物館もあるので、北海道全体の歴史や文化を知ることもできます。
美術館や文学館、アイヌ文化交流センターなどもあるので、刺激を受けたり学びが多く得られます。いずれにしても、食やウインタースポーツだけでなく、歴史的な魅力が豊富ですから、観光の際に違った目線で注目してみることをおすすめします。初音ミクでおなじみのボーカロイドのように、サブカルの発信地でもありますから、観光資源に加えて発信力もあることが分かります。