世界の様々なエリアで四年に一度オリンピックが行われてきましたが、1972年には札幌で第11回冬季オリンピック札幌大会が行われました。これにより大きな感動を覚えた人も多いことでしょう。札幌で行われた冬季五輪は、国際的な体育祭として世界中の人たちからの注目が集まりました。2月3日から2月13日まで行われ、日本だけではなく、アジアで初の冬季オリンピックとなったのです。

実は札幌は1940年にアジアで初めての夏季オリンピックとして開催される予定がありました。しかし軍部の反対や1937年に始まった日中戦争の激化を受けて、開催権を失ってしまったのです。その後1964年には東京オリンピックの開催が決まり、これにより札幌におけるオリンピック誘致を実現させたいという思いが強まりました。札幌の1968年の開催に立候補しましたが、惜しくも投票で敗れてしまいました。
実際に札幌大会には35か国の国や地域から1128人の選手と527人の役員が参加しました。この大会に中国とフィリピンは初めて参加したのです。実施競技はスキーやスケート、アイスホッケーとボブスレー、リュージュ、バイアスロンで、オリンピックのメダルは陶芸家の八木一夫とグラフィックデザイナーの田中一光によりデザインされました。現在ではこのメダルはさいたま博物館に展示されています。
オリンピックが決まったことにより、世界的にも積雪都市として有名な市の交通環境を大きく向上させました。地下鉄を開通させたり地下街の建設、市街の近代化など、インフラ整備には多大な貢献をしたと言えるでしょう。
札幌市内と近郊には、スキーやスケート、ジャンプなどといった数多くの競技場が作られて、現在でも国内外の大会などで使用されています。その一つに挙げられるものとして大倉山ジャンプ競技場が挙げられます。ここに開設されたものとして、札幌オリンピックミュージアムと呼ばれるものがあります。これまでのオリンピックやパラリンピックなどの歴史や感動などを実際に体感することができる施設として開かれ、冬のスポーツの普及や発展が目的となっています。館内には札幌大会をはじめとし、その他にもこれまでのオリンピックを知ることができる数多くの展示がなされています。競技に使われる道具も展示されている為、間近で見るチャンスと言えるでしょう。選手の視点からオリンピックの競技を体感することができる、6種類のシミュレーションが用意されているため、是非とも自分の目で確かめてみたいところです。